週間読書日記
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吉田敏浩(ジャーナリスト)
6月×日 梅雨に入った。今日も何かと原稿を書いている。雨音が耳に届く。 「ジャングルで隠れている間は、枯れ葉で屋根を作るんだけど、あっという間にびしょびしょになっちゃう。だからこんな雨の日は、村…
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鎌田慧(ルポライター)
6月×日 妻を連れて病院にいった。風邪気味ですと言うと、ついでに診てあげましょう、と女医さん。診察券を急拵えしてレントゲンをかけると、肺炎という。入院はしないで抗生物質。 6月×日 抗生物質で快…
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大森望(書評家・翻訳家)
6月×日 急に暑くなってきたので、上半身はTシャツに衣替え。アイドル現場用のオタクTシャツを別にすると、ワードローブの中心は各種SF系Tシャツ。ヴォネガット「チャンピオンたちの朝食」とか、バージェス「…
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安藤祐介(作家)
5月×日 平成の終わりと令和の始まりをまたぐ大型連休を経て、朱野帰子さんの「わたし、定時で帰ります。ハイパー」(新潮社 1400円)を読了。同作は1年前に第1弾が刊行されて大きな反響を呼び、私もこの「…
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中島恵(ジャーナリスト)
5月×日 講演で京都に行ってきた。駅を降りてびっくり。平日だというのに、タクシー乗り場に100メートル以上と思われるほど多くの観光客が並んでいるではないか。運転手さんによると、タクシー乗り場の数が減っ…
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上野誠(奈良大学文学部教授)
4月1日 新元号が「令和」に決まった。「万葉集」が出典ということで、次々に取材が舞い込む。が、しかし。論文もちゃんと書かねば。困った。 4月X日 今取り組んでいるのが、「万葉集」にみえる外国名を…
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佐川光晴(作家)
5月×日 1日から元号が令和になった。64年も続いた昭和が裕仁天皇の崩御により唐突に終わり、新元号が「平成」と発表された時の慌ただしさを思うと隔世の感がある。 当時私は23歳、2ヵ月後の3月末…
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吉田友和(旅行作家)
4月×日 体重の増加に歯止めがかからない。理由は自分でもわかっている。食べ過ぎである。近頃は美味しいものに出合うために旅をしていたりもする。しかも、年甲斐もなく店では大盛を頼むのが基本スタイル。 …
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藤井青銅さん(作家・脚本家)
4月×日 担当しているオードリーのオールナイトニッポンの立ち合い。先日は日本武道館での番組ライブも話題になった。深夜放送明けの翌日は仕事にならず、読書日だ。杉原里美著「掃除で心は磨けるのか」(筑摩書房…
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友井羊(作家)
3月×日 最近取材と趣味を兼ね、東京の老舗の飲食店を巡っている。明治や大正、店によっては江戸から続く味を今も楽しめるのは幸福なことである。そこで森まゆみ著「東京老舗ごはん」(ポプラ社 620円)を片手…
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司修(画家)
X月Y日Z時 深夜、倒壊率76%の住居内に造った耐震シェルターのベッドで目覚める。雨の音に交じって、遠慮がちなノックが聞こえる。夜光時計の針は午前3時。ノックがなくなる。息を殺して外の動きを感じ取ろう…
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石川理夫 温泉評論家
2月×日 ふだん“読書”といっても、原稿執筆の史資料探しに複数の書物斜め読みが主で、温泉取材旅が私のフリーな読書タイムとなる。旅には手軽な新書がなじむ。とはいえ、遠藤慶太著「六国史」(中央公論新社 8…
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倉阪鬼一郎(作家)
2月×日 西崎憲著「全ロック史」(人文書院 3800円)を読了。5年半をかけた500ページ強の大著だからもっと時間がかかるかと思いきや、意外につるつると読むことができた。むかしプログレッシブ・ロックを…
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及川眠子(作詞家)
3月×日 来年還暦。あとどれくらい仕事に邁進できるだろう。残りの日数を数え出すようになってから、私は時間を取られるプロデュースの仕事をやめて、とにかく「書くこと」だけに集中してきた。 だけど、…
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早川いくを(著作家、書籍デザイナー)
2月×日 締め切りに焦り、確定申告の書類を書き、おどしすかしで偏食の子供に夕飯を食わせ、風呂に入れ、皿を洗い、布団に倒れ込んで毎日その繰り返し。たまりゆく日常の澱。もういやだ。何もかも打ち捨てて旅に出…
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富樫倫太郎(作家)
2月×日 夜型の生活が辛くなってきたので、朝型の生活に切り替えた。早いときには5時過ぎに起きる。早起きの利点は、静かな環境で好きなことができることだ。 コーヒーを一杯飲めば頭がすっきりして仕事…
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桜木紫乃(作家)
1月×日 仲野徹著「(あまり)病気をしない暮らし」(晶文社 1600円+税)を読んで肩こりと腰痛を忘れる。「読んで笑って医者いらず」の帯に違わず、関西話芸の呼吸を学べる1冊かもしれない。と思ったところ…
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高嶋哲夫(作家)
1月×日 現在、「沖縄コンフィデンシャル」シリーズを書いている。沖縄を舞台にした警察小説だ。沖縄戦では住民の4人に1人が亡くなっている。沖縄は過去と基地を抜きには語れない。 ちょうど辺野古の埋…
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藤沢周(作家)
1月×日 還暦となりても、「いいね!」少なし。同郷越後の良寛禅師が遺した「只聞枕上夜雨聲」という無常なるフレーズが孤独な男には沁み入る。埋もれ木となりつつ自らを磨く、と殊勝にも今年の手帳1頁目に書いた…