「ニッポンの貧困」中川雅之著
日本には今、月に10万円以下で生活している人が約2000万人いる。これは後期高齢者の人口より多い。ホームレスの数は減っているが、ネットカフェや無料低額宿泊所などにいる人は増えている。貧困者の増加は消費を落ち込ませ、国力を低下させる。2015年3月、外資系金融のゴールドマン・サックスが困窮者への投資を勧めるシンポジウムを開いた。これは単なる社会貢献活動ではない。投資は高い効果が見込めるという。今必要なのは貧困を慈善とみるのではなく、投資と捉え直す視点の転換なのだ。
日本の貧困の解決の糸口を経済的観点から分析したルポルタージュ。(日経BP社 1400円+税)