「関西人の正体」井上章一著

公開日: 更新日:

 ベストセラー「京都ぎらい」の著者による関西文化論。関西に誇りを持っている氏は、テレビに出演するときも関西弁を貫く。しかし、地元の人間でさえ、値打ちが下がるから関西弁をやめたほうがいいと助言してくるという。

「中心」と「辺境」の戦いでは、辺境の衰亡が決定的になると「標本」として保存を考え出す。標準語が中心ならば、関西弁は辺境だ。氏は事例を挙げながら、関西弁がその保存の対象になりつつあると嘆く。

 一方で大阪人は、他の地方の人が無責任につくり上げた「俗悪で猥雑」、よく言えば「バイタリティー」というレッテルに自分をあわせているのではないかと忠告するなど、関西に対する偏見の数々をユーモアに包んで打ち壊す。(朝日新聞出版 640円+税)


【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ