「『戦国大名』失敗の研究【群雄割拠篇】」瀧澤中著
領国「経営」では優れた手腕を発揮しながら、偉大な「指導者」となることができず天下を治めるに至らなかった戦国大名たち。彼らの軌跡から、指導者の条件とは何かを考える歴史読み物。
まずは軍事指導者としては一流で、信長にも匹敵する国際・外交感覚を備え、国内政治では家康的な絶妙のバランス感覚を持っていたという伊達政宗。政治学的には極めて優れた政治家だった彼が、なぜ天下を治めえなかったのか。俗に挙げられる「生まれてくるのが遅すぎた」や「中央からの距離」などの理由を検証・否定し、その行動を読み解きながら、彼が天下を取れなかった本当の要因は何かを考察する。その他、今川義元や長宗我部元親などの政治力をさまざまな視点から分析。(PHP研究所 740円+税)