「庶務行員 多加賀主水が許さない」江上剛著
2年前、第七銀行と明和銀行が合併し第七明和銀行が誕生。しかし、金融庁の主導で行われた合併は遺恨をもたらし、熾烈な派閥争いが続いていた。会長の権藤と専務の綾小路は、明和出身の勢力を一掃するための陰謀をめぐらす。
同じころ、主水は同銀行に庶務職として中途採用され、高田通り支店に着任する。庶務職とは、融資や預金事務をする行員とは異なり、店の掃除や設備のメンテナンス、案内などの雑務をこなす行員のこと。これまで職を転々としてきた主水は、第七明和銀行の「ある男」にスカウトされ、支店の動向を調査して報告するために派遣されたスパイだった。
銀行を舞台にした長編エンターテインメント。(祥伝社 660円+税)