「下町呑んだくれグルメ道」畠山健二著
下町生まれの著者によるB級グルメエッセー。
充実した朝食にありつきたいときは大衆食堂に行くという氏。昼や夜に外食をするのはケチくさい人間のやることで、多くの人が満員電車に揺られている時間に外食することこそが心のぜいたくなのだと。そして、行きつけの「五つ星」大衆食堂の極上メニューと、7年通って編み出した裏技を披露。その他、録画しておいた時代劇を見るときに欠かせないカリカリ梅、テキ屋の元締がその極意を知りたがった行列のできる露店の「ヤキソバ」の作り方、それが食べたくてカレーにするのではないかと錯覚してしまう福神漬けを食べる作法など。
少々のお色気を隠し味に笑いに包んでつづる食への飽くなきこだわり。(河出書房新社 760円+税)