「犬、そして猫が生きる力をくれた」大塚敦子著
米国の女子刑務所で30年以上前に始まった介助犬育成プログラム「プリズン・ペット・パートナーシップ」の活動を紹介するリポート。
同プログラムは、飼い主が飼えなくなった保護犬を訓練して、介助犬やセラピー犬として、障害のある人のもとに送り出すというもの。犬と接することにより、受刑者たちの心のバリアーが取り除かれ、介助犬の訓練をすることが生きる目的ともなり、社会復帰への道を踏み出すことができるという。近年は猫の受け入れも始まり、設立以来700匹以上を介助犬やセラピー犬、ペットとして送り出してきた。
殺人犯のコニーとラブラドールのアラニスなど、受刑者と動物たちのドラマを紹介しながら、日本でも始まったその活動の実際を伝える。(岩波書店 860円+税)