スポーツ時々放談
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全豪OPは初戦敗退も…時代は大坂なおみを「多様性の女王」として必要としている
テニスの全豪オープンが行われている。昨夏に出産、1年4カ月ぶりに前哨戦から復帰した大坂なおみは、1回戦で第16シードに敗れた。サービスエース11本、サーブの最高時速191キロでポイント率51%、ウイ…
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青山学院大はなぜ強い? 第100回箱根駅伝で完全Vしかも圧勝のウラ側
第100回箱根駅伝は、青山学院大の完全優勝で幕を下ろした。 速い、速い……だが、閉会式がいつまで経っても始まらなかった。監督会議が揉めた。金栗杯(最優秀選手)の指名に原晋監督が熱く長く異議を…
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米国西海岸を揺らす大坂なおみ 醜聞さえも女子テニス界にプラス効果もたらす存在感
年の瀬は、大谷翔平のドジャース移籍で一色だ。永井荷風が「あめりか物語」に描いたように米国西海岸はいわば古い隣村。ロスにはNBAの八村塁もいるのだが、忘れていけないのは……来る年を賑わすのは間違いなく…
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男女混合リレー競歩は相反する感情が共存する都会的なスポーツ パリ五輪でも注目種目だ
男子テニスの「ネクスト・ジェン・ファイナルズ」がサウジアラビアで始まっている。 6年前にスタートした21歳以下の世界一決定戦で、これまでチチパス、アルカラス、シナーらトップ選手を送り出し、同…
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箱根駅伝「山の神」の時代はもう終わり 勝負のポイントが再び平地へ戻ってきた
箱根駅伝は来年正月に第100回を迎える。 学生スポーツは学制変更や戦争など、世の変化に沿って多様に変化してきた。いまではランナーの胸には各スポンサーのロゴが縫い付けられて、監督が写真誌に追い…
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テニス、マラソンの変化についていけない日本メディアの前時代感
テニスの「木下グループジャパンオープン選手権」は米国の新鋭ベン・シェルトンのツアー初優勝で幕を閉じた。全米大学体協(NCAA)からプロ転向して1年目の21歳で、先の全米オープンでいきなり4強、父ブラ…
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マラソン世界記録続出 厚底シューズで加速するスピード時代は新たな段階に入った
マラソン界がとんでもないことになっている。 9月24日のベルリンで、エチオピアのティギスト・アセファ(26)が2時間11分53秒、これまでの女子の世界記録を一気に2分11秒更新した。男子でも…
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女子やり投げ北口榛花の世界陸上金メダルに思う…選手が国旗をかざす意味の変化
ようやく涼しくなった。夏は大変だった。深夜の世界陸上選手権から早朝の全米オープンテニスと、不規則なテレビ観戦が続き、(どうせ暑くて眠れないが)生活は乱れた。最大の収穫はやり投げの北口榛花だ。 …
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36歳のジョコビッチを支える「鋼の意志」 前人未到のグランドスラム24勝に到達
テニスの全米オープンが終わった。 50年を迎えた男女同額の優勝賞金は約4億4000万円。完全機械化でラインジャッジは消滅し、端の17番コートでマリフアナのにおい……相変わらず話題の多い大会だ…
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「真夏のマラソン」と日本人の「完走の美学」…ひたすらドラマを叫ぶメディアの愚
暑い夏だ。先のオリンピック招致の際、東京都は「8月は温暖で理想的な気候」とプレゼンした。ずいぶんとまあ急速な温暖化である。ウソはいけない。 今年の甲子園はクーリングタイムという小洒落た休憩時…
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無期限活動停止をたった5日で解除…日大に求められるのは学生スポーツへの毅然とした姿
日本大学アメリカンフットボール部の不祥事が波紋を広げている。 部員の大麻所持をめぐり、大学から警察への報告が遅れ、無期限活動停止処分をわずか5日で解除……5年前の危険タックル事件からの体質改…
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大谷翔平は「日高見の王子」だった? 佐々木朗希に麟太郎…怪物を生む岩手県の謎に迫る
異常な暑さが続く。夏の甲子園、地方大会の関係者は大変だろう。 野球といえば、大谷翔平だ。NHKニュースは大谷で始まり、本紙を含め新聞もネットもこまごまと語る。ただ、誰も触れず答えを出さないこ…
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パリ五輪のマラソン代表選考レース 曖昧なMGCから令和のドラマは生まれるのか
友人のカメラマンが陸上大会で不快な思いをしたという。 若いカメラマンに「だから昭和は……」と捨てゼリフを吐かれ、口論になったそうだ。現場にいないでよかった。乱闘になっただろう。かつて、明治は…
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衰え知らずの36歳ジョコビッチは今年のウィンブルドンでも注目 4大大会24勝目と年間GS狙う
東京・早稲田にある早大野球部御用達の居酒屋に行った。同道したOBによると、早大の44の運動クラブには厳然たる序列があり1番が野球部だとか。2番が庭球で以下、漕艇、剣道、柔道、弓道と続き、人気の競走部…
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加藤未唯の全仏OP女子D3回戦は「失格」ではなく「弱点」を引き出された敗戦だった
テニスの全仏オープンが終わった。ジョコビッチがメジャー通算23勝を飾り、準優勝のルード、20歳のアルカラスが“ポスト3強”らしい実力を披露。ナダル不在の不安を一掃する中身の濃い大会だったが、日本では…
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全仏オープン欠場のナダルは来年の大会でお別れ…パリ五輪の“アンコール”で世代交代か
テニスの全仏オープンが始まっている。 錦織圭の復帰予定は6月12日のプエルトリコ、大坂なおみは出産準備中と、日本のファンには物足りない大会になった。最大の衝撃はラファエル・ナダルの欠場だ。 …
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その死から38年…瀬古利彦を育てた執念の勝負師・中村清を思う
川で転んであちこちをひどく打った。釣りをしていたわけではなく、清掃して滑ったのだ。情けないと、ずぶ濡れになった体で中村清を思い出した。 瀬古利彦の育ての親、長距離界に数々の足跡を残した名伯楽…
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競歩はマラソンに代わる“第二のお家芸”…日本陸連は独自のロードレース観を打ち出すべき
国際オリンピック委員会(IOC)と世界陸連(WA)が、来年夏のパリ五輪での競歩の実施要項を発表した。 男子50キロ競歩に代え、新種目として35キロの男女混合を行うことは東京大会前に決まってい…
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マラソン絶対王者キプチョゲはボストンで「2時間切り」なるか? 山田敬蔵の優勝から70年
秋田の大館に行ってきた。 かつて黒鉱の鉱山で繁栄を極めた町もすっかりおとなしくなったが、白神山地や鳳凰山など四方を山に囲まれ、天の広いすがすがしい土地だ。明治期からの繁栄を背景に、この地は多…
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WBCの源田やW杯の三笘が“ミリ単位”プレー 数字にできない魂を機械が証明する時代になった
WBC、センバツ、プロ開幕と球春まっさかりだが、野球はずいぶん様相が変わってきた。WBCメキシコ戦の“源田の1ミリ”──二盗の判定に栗山監督がリプレー検証を求め、長い協議の末、覆ってアウトに。流れを…