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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「真夏のマラソン」と日本人の「完走の美学」…ひたすらドラマを叫ぶメディアの愚

公開日: 更新日:

 暑い夏だ。先のオリンピック招致の際、東京都は「8月は温暖で理想的な気候」とプレゼンした。ずいぶんとまあ急速な温暖化である。ウソはいけない。

 今年の甲子園はクーリングタイムという小洒落た休憩時間をつくった。いいことだ。ただ、野球は連続運動ではないからバッテリーと審判と観客を配慮すれば、炎天下でもさほど問題はない。むしろ、インターハイのテニスバドミントンでは救急車が頻繁に行きかう。報道されないため、いつまでも我慢比べになっている。

 三重の皇学館大学に就任した寺田夏生駅伝監督と会った。箱根のゴール前で道を間違え、必死に国学院の初シードを届けた「寺田交差点」の人だ。「十八駅伝」の話になり「あれは地獄だった」と苦笑いしていた。

 十和田湖畔から秋田の八幡平まで駆け抜ける十和田八幡平駅伝は毎年8月7日に開かれ、今年76回を迎えた。金栗四三が「夏のオリンピックに向けた走力」を目的につくったとされる。酷暑のストックホルムで倒れた教訓だが、ねぶた、竿灯に沿った観光イベントでもあり、めちゃくちゃ暑い。あまりに暑くて、脇の田んぼに飛び込んだ選手がいた。福島が生んだボストン2位の怪人、宍戸英顕だ。

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