マラソン世界記録続出 厚底シューズで加速するスピード時代は新たな段階に入った
マラソン界がとんでもないことになっている。
9月24日のベルリンで、エチオピアのティギスト・アセファ(26)が2時間11分53秒、これまでの女子の世界記録を一気に2分11秒更新した。男子でも難しいとされるサブテンが時間の問題となった2週間後、今度はシカゴの男子でケニアのケルビン・キプタム(23)が2時間0分35秒で優勝──五輪連覇のキプチョゲの世界記録を34秒上回り、夢の2時間切りはすぐ目の前に迫った。
アセファはベルリン連覇、キプタムは4月のロンドンを2時間1分25秒で優勝した。実績ある2人だけに、大幅な更新にはしっかりしたメッセージが込められているだろう。
アセファは2016年のリオ五輪の800メートル代表で、5000メートルや1万メートルを飛ばしてロードに出ている。キプタムは23歳でいきなりマラソンを目指してきた……マラソンへのアプローチがこれまでと違い、ラストの走りが違った。アセファは中距離選手のようにゴール、キプタムは後半59分台というネガティブスプリット、それも30キロからの5キロを13分51秒、14分01秒と、とても持久走とは思えない速さだった。