著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

スポーツのプロ化を広告代理店に委ねた競技団体と新聞社の変わらぬアマチュア体質

公開日: 更新日:

 久々に週刊文春を買った。受託収賄で起訴された東京五輪組織委員会元理事、高橋治之被告のインタビューを読んだ。

 被告が受け取った金がコンサルタント料か賄賂かはいずれ法にのっとって判断されるだろうが、この問題は検察だけに委ねるものではないはずだ。なぜ元電通マンがスポーツの祭典招致のカギを握ったのか。

■1984年ロス五輪を梃子に

 大手代理店の電通がスポーツベントに乗り出したのは1970年代後半、とりわけ80年代半ば、すなわち冷戦崩壊と技術革新に沿ったスポーツのプロ化の流れの中で力をつけた。

 それ以前のスポーツ興行は、例えばペレの引退やテニスのプロツアーは、シナトラらを招聘していた青山音楽事務所が手掛けた。ゴルフ、陸上、NCAAのバスケットやアメフトはテレ・プランニングの藤田敦、あるいはジャック坂崎といった一匹狼が太平洋を股にかけて本場の醍醐味を持ち込んだ。

 84年のロサンゼルス五輪を梃子に、スポーツ界はプロ化に舵を切り、電通が本領を発揮し始めた。サッカーのトヨタカップ(現クラブ世界選手権)、世界陸上、テニスの4大大会などの開催権、放映権交渉は一匹狼では難しかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  3. 3

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    西武・鳥越裕介ヘッドコーチ「厳しく指導?僕は基本、怒らないんですよ。ただ…」

  1. 6

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  2. 7

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 8

    兵庫県・斎藤知事パラハラ認定にも無敵の“居座り” 「公務多忙」理由に第三者委報告書にコメントしない厚顔

  4. 9

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  5. 10

    復権狙う自民旧安倍派にトドメ!「10万円商品券」配布問題でチルドレンが石破首相に“助け船”の爆弾証言