36歳のジョコビッチを支える「鋼の意志」 前人未到のグランドスラム24勝に到達
テニスの全米オープンが終わった。
50年を迎えた男女同額の優勝賞金は約4億4000万円。完全機械化でラインジャッジは消滅し、端の17番コートでマリフアナのにおい……相変わらず話題の多い大会だが、最大の出来事はジョコビッチだ。
全豪、全仏に続き今季3度目のグランドスラムタイトルで、前人未到のメジャー通算24勝に到達した。反ワクチンから昨年は出場できなかった大会でのナンバーワン復帰……36歳の鋼の意志には驚くばかりだ。
今世紀に入ってから、フェデラー、ナダル、ジョコビッチの「3強時代」が続いてきた。フェデラーが昨年引退、故障の癒えないナダルは来季の引退を表明し、しぼみかけたところにスペインから新星が現れた。
カルロス・アラカラスは昨年の全米制覇に続き今季ここまでツアー6勝、ウィンブルドン決勝ではジョコビッチをフルセットで倒した。ジョコが勝っていたら年間グランドスラムだったわけだが、この20歳はコートカバーが広く、ベースライン深く配球し、強烈なサーブからのサーブ&ドロップショットのタッチには舌を巻く。「3強」を合体させたような力、技、スピード、感覚だ。