<112>若い従業員をクビに…権限がないはずなのに早紀被告の弁護士が差配
私はアプリコの存続を願っていたが、弁護士たちは若い従業員に対して2018年の7月末で解雇することを告げた。野崎幸助さんが亡くなって2カ月余りのスピード解雇である。ちなみに、社長となった早貴被告が会社で挨拶することも顔を出すことも皆無で、全てを弁護士任せにしていたというか、彼女は弁護士の言いなりになっていただけである。
「大丈夫かい?」
会社の駐車場にいた従業員の三山クンに聞いた。
「しょうがないですよね」
「そんなことないって。ユニオンに訴えれば、不当解雇だと扱ってくれるよ」
私はユニオンの取材も多くしていたので、三山クンが1人でも訴えられることを説明した。
「……まあ、それはいいです。ハローワークに通って新しい仕事を探して下さいって弁護士から言われているんですが、困ったのは他の給料が安いことです」
アプリコの仕事はお酒をトラックに積んだり降ろしたりする肉体労働もあって多少きつかったが、給料は田辺市では高い部類に入っていることは私も知っていた。