<107>早貴被告は週刊文春の記事をヒラヒラと揺らして笑った
「吉田さんのこと、いろいろと書かれてたから笑っちゃいました」
野崎幸助さんが亡くなって半月ほど過ぎた頃、週刊文春が私への誹謗記事を掲載した。
〈Sさん(早貴被告のこと)は吉田のことを嫌って会わないようにしている〉
〈嫌われた吉田はドン・ファンの家にも入れなくなった〉
そのようなことが書かれた記事のコピーをヒラヒラと揺らしながら、早貴被告はリビングで笑っていた。
「こうやって会っているのに、よく載せますよね、こんなデタラメな記事を」
「ウラも取らないでな」
いろいろと書かれているほとんどがウソであったのであきれかえっていたし、自宅に顔を見せた番頭格のマコやんも、記事を読んで笑っていた。
「なんや、この記事は。こうやってリビングにもおるし、早貴ちゃんとも親しげに話をしているのにむちゃくちゃな記事やの~」
週刊文春はドン・ファン事件の記事を作りたかったが、最初は札幌時代の早貴被告に狙いを定めて記事を作っていた。ドン・ファンのエピソードを取材できず情報があまりにも少なかったからで、私をターゲットにしたのも、それが理由だろう。