<105>事件について話し合っていると弁護士が突然、「アプリコ閉鎖」を従業員に告げた
早貴被告、家政婦の大下さん、番頭格のマコやんと私の4人は、何度か事件について話し合った。
「2人が疑われるのは間違いないから、やったらやったで自首すればいいじゃん」
軽い感じで私が笑った。
「私、やっていないから自首と言われてもねえ」
「私も」
大下さんに続いて早貴被告が言う。
「大下さんも早貴ちゃんも“お務め”に行ってきなよ。差し入れは何がいい?」
「ワシも差し入れてやるで~」
マコやんの乗りもいい。
「ヨッシー、もし殺したら、どれぐらいの罪になるのかしら」
大下さんが聞いた。
「もし中身を知らないでクスリを渡したとしたら、罪も軽くなるだろうから、殺人でも10~15年ぐらいで収まるんじゃないかな」
これはウソであるが、2人が法律に詳しくないから適当にエサをまいた。