トランプ大放言 毒々しくずぶといユーモア感覚は侮れない
「トランプ熱狂、アメリカの『反知性主義』」宮崎正弘著
前掲の本がトランプ嫌いの編者なら本書の著者はトランプびいきの保守派。既成政治家への庶民の不満の噴出が「反知性主義」とも呼ばれるトランプ現象の根底。これを「極右」と呼ぶのは「民衆の心の動きを読めず、自らがイデオロギーのプリズムを通して表面だけをなぞり、物事の真実を見極めようとしない」左派メディアの偏見であると。
さらに、共和党主流派も庶民の心を読めない点では同罪。トランプ躍進は、シリア内戦で気まぐれ外交に終始したオバマが凄腕のプーチン・ロシアにしてやられたのと同時期。要は既存の政治が左右とも無能をさらけ出したことがトランプという傑物を生んだと指摘する。(海竜社 1300円+税)