延べ8000人! 「いいとも」ゲストで培ったタモリの「会話力」
1982年10月の放送開始から31年半。タモリ(68)の「笑っていいとも!」が今月末で終了する。名物コーナー「テレフォンショッキング」のゲスト数は、重複も含めて延べ8000人。これだけ多くの人と会話できるのは、タモリの特殊な才能だろう。
■「休みの日は何してる?」は計算された質問
タモリの話術の巧みさは認めるとして、しかし、彼は毎回、特別な話をしているわけではない。定番ネタを相手によって多少アレンジしているだけだ。
例えば、タモリがよくする会話のひとつが、「休日は何してるの?」というものがある。なぜこれを聞くかというと、大抵の人は休みの日を楽しみにしているから。会話の基本は「相手が話したがる話を聞く」ことだ。
質問された人が「映画館へ」と答えれば、「どんな映画が好き?」「誰と行くの?」と続ける。「子供の野球の応援に行く」と答えたら、タモリは「あの子がそんなに大きくなったんだ」と大仰に驚いたりする。
ところが、たまに「家でボーッとしてます」と身もふたもない返事をする人もいたりするから厄介。普通なら「……」と会話が途切れる場面だが、そんな時にもタモリは「へ~、仕事でいつも忙しいんだ」と切り返す。相手が「映画の撮影が重なって」などと説明したらシメたもので、「ゆっくり休めるとしたら何をしたい?」と続ける。するとアラ不思議、今度は「旅行が趣味なんで」と話し始めるのだ。結局、聞いているのは「休日の過ごし方」だ。