元天才子役・水野哲さん ラーメン店経てカムバックの軌跡
“名子役”“天才子役”と呼ばれたのは言うまでもない。
「でも、高校に入学したら、隣のクラスにもうひとり、売れっ子俳優がいましてね。彼は仕事に次ぐ仕事で、ほとんど学校に来ない。当然、同級生からは白い目で見られ、彼を目当てに女学生が校門近くでたむろしてるのもよく思われなかった。そういうのにじかに接し、ああ、俳優を続けてる限りは本当の友達はできない、自分は真の友が欲しいと思い、高校1年のときの『結婚の四季』(フジ系)を最後に、役者をやめるのを決めたんです」
その後3、4年は池内淳子や北村和夫などから誘いがあったが、すべて断った。
■デザイナー、ロックバンド、ラーメン店、派遣社員などを経て07年にカムバック
高校卒業後、4年制の美術専門学校で学んだ水野さんは、デザイン関係の仕事に就くと同時に、高校時代から始めたロックバンドのギター兼ボーカルとして活動した。
「ジャンルこそ違うけど、昔の知り合いに挨拶に行けば、バンドももっと商業ベースに乗るんじゃないか、っていう人はいましたよ。しかし、相手は迷惑だろうし、あんなに売れてたヤツが、と思われるのは目に見えてる。だから、そんな気はまったくありませんでしたね」