元天才子役・水野哲さん ラーメン店経てカムバックの軌跡

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 今ならば芦田愛菜チャンや鈴木福クンか。“名子役”“天才子役”と呼ばれるチビッコである。今回登場の水野哲さん(49)もかつて、そんな称賛を一身に浴びた。3歳から16歳までテレビや舞台に出ずっぱりだった。しかし、最近はまったく名前を聞かない。今どうしているのか。

「顔を完全に忘れてもらうのに10年かかりましたね。その間、テレビや舞台にまったく出てなかったんだけど、地下鉄に乗ったり、居酒屋で飲んだりしてると、“おや?”って視線をよく感じてました。それが結構うっとうしくて」

 地下鉄築地駅に近いホテルの喫茶室で会った水野さん、こう言って苦笑した。

「その“おや?”の意味は仕事が減ったから出番がないんだろうなあ、であり、今は何で食ってるの、って好奇心だったんでしょうね。でも、正真正銘、ボクは自分の意思で俳優をやめたんです」

 ここで輝かしい子役時代をプレーバック。3歳で劇団若草に入団した水野さんは、その年に松本幸四郎(当時は市川染五郎)、那智わたるが主演し、故中村勘三郎(同・中村勘九郎)にとって初のミュージカルだった「王様と私」で俳優デビュー。以来、プロデューサーの石井ふく子に可愛がられて東芝日曜劇場の常連になるなど、「高校受験の準備のために仕事をセーブした中学3年の前半まで、学校とスタジオを往復する毎日だった」。

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