「9月の雨」太田裕美 思い出深いストーンズとの2ショット
74年に「雨だれ」でデビューして以来、「木綿のハンカチーフ」「九月の雨」など4年間ヒット曲を出し続けた。そんな太田裕美さん(59)にレコード会社から“プレゼント”が贈られた。79年1月、世界中から有名ミュージシャンが集まる「カンヌ国際音楽産業見本市(MIDEM)」へ参加のためのご褒美旅行だった――。
「MIDEM」は67年に創設された世界最大級の音楽見本市で、各国の音楽関連企業やミュージシャンが一堂に会する大イベント。コート・ダジュールの街が音楽一色に変わる“お祭り”である。太田さんにとって初めてのフランス旅行。母親も同行した「親孝行旅行」であった。
「忙しかった日本での生活とまったく違ってスケジュールもゆったりだったので、初めてのパリ観光を楽しみ、カンヌでは初めてカジノも体験し、とてものんびり過ごさせてもらったんです。カフェでクロックムッシュを食べたんですけど、こんなにおいしいものが世の中にはあるんだってすごく感激したことを今でも覚えてます」
もともとグループサウンズ大好きっ子で、洋楽はよく聞いていた。MIDEMのパーティーには、レコードでしか聞いたことのないミュージシャンがたくさん参加していた。