「るろうに剣心」「柘榴坂の仇討」…今年は時代劇に外れなし!
切腹を命じられる侍を役所広司。監視役を岡田准一が演じる。原作は本作で直木賞を受賞した葉室麟。演出は、黒沢明監督の弟子筋にあたり、「雨あがる」などの時代劇で定評のある小泉堯史監督が手掛けた。
役所、岡田という人気を兼ね備えた当代の実力派2人ががっぷりと組んだ作品だけに、火花が散りそうな演技合戦も期待できよう。かつて、藤沢周平原作の時代劇が頻繁に製作されたことがあった。本作が成功すれば意外に早く、葉室時代劇の時代がやってくるかもしれない。
近年、時代劇の数は減っているが、それでも地道に製作されている。現在大ヒット中の「るろうに剣心」の2部作は、コミック原作の映画化なので見落とされがちだが、れっきとした時代劇。この2部作だけで、興収100億円突破が確実な情勢だ。さらに、5万回斬られた男・福本清三主演の異色作「太秦ライムライト」もある。
時代劇復活の機運到来と、映画関係者の鼻息は荒い。
映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、「時代劇は『るろうに剣心』で裾野が広がった。秋の2本はそれと中身は異なるが、若い人も注目してもらいたい。歴史とその裏側を知る意味からも学ぶことは多い」と話している。
どれを見るか。今回ばかりは当たり外れがなさそうだ。