松崎しげる 柴俊夫に支えられた西田敏行との下積み時代
一番ありがたかったのはメシと酒。当時、元気と時間はあり余るほどあるんだけど、縁がなかったのがお金。いつもピーピーしてたよ。だから「メシ、行こうか」って誘ってもらえるのがすごくうれしくてね。
銀座、赤坂、六本木、もちろん柴さんの地元の上野や浅草へもよく連れていってもらいました。そのうち柴さんが自分の友人を紹介してくれて、それが青年座の劇団員だった西やん(西田敏行)、売れっ子俳優だった(志垣)太郎ちゃん、歌手から俳優を目指していた(田中)健ちゃんで、5人でつるんで飲みに行くようになったんです。
とはいっても、忙しかったのは柴さんと太郎ちゃんだけ。他の3人は下積み時代でしたから、支払いは2人にオンブに抱っこでした。
夜遊びもやったね。その頃は全員が20代で独身だったし、遊びたい盛りだから。飲みに行った先の女の子のグループがいると、健ちゃんが“まき餌”役になって、ボクと西やんが盛り上げ役。テンションが高くなりすぎて、ボクらが暴走しないように見張る風紀係的な役割が柴さん、太郎ちゃんはニコニコ見ていて会計する係。