K―1王者ピーター・アーツの人生を変えたブルース・リー
「20世紀最強の暴君」といわれた元K─1グランプリチャンピオンのピーター・アーツ(44)。おので大木をなぎ倒すような切れ味抜群のハイキックで知られ、「オランダのきこり」の異名を持つ。14歳でキックボクシングを始めたキッカケはブルース・リーだった。
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そりゃ、衝撃的だったよ。ものすごくね。オレの人生を変えた瞬間は間違いなく、ブルース・リーの映画を見た時。今から30年以上も前の12歳になるかならないかぐらいの時かな。「燃えよドラゴン」と「ドラゴンへの道」だった。
身長が171センチしかないチビのブルース・リーが、2メートル近い見上げるばかりの大男を、立ち上がれないくらいにボッコボコにするってのがカッコよくてさ。おまけにキックもパンチも見えないくらい速い。思わず身を乗り出したもんさ。
後で知ったけど、一般的なアクション映画って早送りしてスピード感を出すんだってね。でも彼の場合、全部、早送りなしの実写。何年か後に自分が本格的に試合をするようになって、さらに彼の格闘シーンの素晴らしさを理解できた。