“殺害期限”をカウント? フジ「めざましテレビ」に非難の声
21日朝のフジテレビ系情報番組「めざましテレビ」には目を疑った。番組が始まってすぐ、画面の左上にテロップで「対策室設置から約14時間30分」と表示されていたのだ。2時間35分の番組の間、イスラム国関連のニュースを報じるタイミングで、30分、1時間刻みに経過時間をずっと表示していた。
「イスラム国」のビデオ声明を受けて20日午後3時、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室が設置された。イスラム国が「72時間以内」の身代金支払いを要求しているため、起点を“勝手に”対策室設置時刻に置いて経過時間をカウントしているのだ。米大ヒットドラマの「24」じゃあるまいし、悪ふざけが過ぎやしないか。
「人の命が“見える”ような報じ方です。お祭り騒ぎしていると受け取れます。後藤さん、湯川さんの親族や知人が見たらどう感じるか配慮に欠けていますね。02年9月の日朝首脳会談に関する報道を思い出します。拉致被害者リストの顔写真や氏名の横に『生存』『死亡』『不明』などと色を変えて表記したり、生存者に『赤丸』を張り付けて選挙番組のようでした。当時も酷い報道だと感じましたが、今回のフジの“ノリ”も同じ。人命がかかっているということを理解しているのでしょうか」(立大教授・服部孝章氏=メディア論)