<第1回>一本の“盗撮ビデオ”から始まった震撼の大スクープ
とある居宅の一室――。家具はシンプルでこざっぱりとしたインテリア。あまり物が置いておらず、掃除が行き届いている清潔な室内に3人掛けの大きなソファが置いてある。
その真ん中にゆったりと腰掛けるのは大物人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(飛鳥涼=本名・宮崎重明、当時55)だった。
ASKAはテレビで見るようなシャープな輪郭ではなく、顔が病的にむくんでいた。
映像は全体を捉えているが、ファインダーは手前の腰のあたりから真正面にASKAをとらえ、画質は鮮明だった。
そんなASKAに何者かわからない男が、「はい、これ」と言って、小さなビニール袋に入った何かをテーブル越しに手渡す。少し前かがみになって受け取るASKA。白い結晶のようなものが光っている。ASKAは慣れた手つきでビニール袋を指でなぞるように確認し、かたわらにある透明なガラス製のパイプを取り出した。
その動きによどみはなく、終始無言でピリピリとした緊張感が漂っている。ビニール袋から白い結晶のようなものをパイプに入れたASKAは、軽くパイプを口にくわえた。その後、右手でライターを取り、おもむろにパイプを下から火であぶると、結晶が気化した白い煙を深く吸い込んだのだった。