芸能界に馴染めずとも オードリー若林は“素直”で生き残り
でも、仕事では求められているコメントをしなければいけない。高級食材を使った料理を食べたら「おいしい!」と言う以外の選択肢はないはずなのだ。でも、食に興味がない自分にとってそれは本心ではない。何が正解なのか? どう答えればいいのか? 若林はずっと悩み続けていた。
彼がそうやっていろいろなことに引っかかっていたのは、それまでの人生で社会というものを知らなかったからだ。限られた友人知人の中だけで生きていて、世間の価値観を理解できていなかった。だから、世俗のド真ん中にあるテレビの世界に放り込まれた時、どう振る舞ったらいいのか分からなかったのだ。ただその素直でピュアな感覚こそが、若林という芸人の魅力でもある。
新しい職場にまだ馴染めずにいる新社会人や、あの頃の初心を取り戻したい人にもお薦めしたい一冊だ。