小島慶子<上> 忖度の時代に「直言」を全うする意義とは
TBSを退社して7年。小島慶子さん(44)は、14年2月に生活の拠点をオーストラリアのパースへ移しながらも、独自の“出稼ぎスタイル”で活躍中だ。テレビやツイッターでの発言は、ネットニュースや雑誌でたびたび取り上げられ、物議を醸している。世は忖度の時代。はっきりと主張するスタンスは風当たりも強そうだが、本人はいたって自然体だ。
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それにしてもこの7年、あっという間でした。会社を辞めたのは、企業の発表係ではなく、自分のパーソナリティーが商品になる仕事の方が性に合っていると思ったからです。いまでこそ笑い話ですが、「それではCMの後、衝撃のVTRです」といった一行のカンペすらまともに読めない局アナでした。決められたコメントだとつっかえちゃう。それはきっと我が強い脳ミソに原因があるからなんだろうと考え、局アナには不向きだなと(苦笑い)。発表係を本分とする仕事の適性がないことに、15年かかって気づいたのです。
私はエゴサーチの類いは一切やりません。人前に出る仕事は〈よりまし〉や〈かたしろ〉のようなものだと思っています。視聴者は、自身の思いやイメージを流しびなのように出演者に乗せて流してスッキリするもの。好きや嫌い、共感する、反感を持つなどの心の動きは、他人がコントロールできるものではありません。