舞台は軍人の横暴・謀略、日本による侵略戦争の真実を余すところなく伝えていく。
「悲劇が繰り返された“昭和”という時代を、決して風化させてはいけない。あの戦争の悲劇を語り継ぐ責任が僕にはある」とは浅利慶太氏の弁。
戦争を体験した自民党の長老たちが声をそろえて安倍政治に警鐘を鳴らしたが、「保守派」と目された浅利氏の健全な反戦意識は焼け跡闇市世代の矜持にほかならない。「李香蘭」は安倍首相がもくろむ改憲策動に対する強烈な「カウンター」ともいえる。
野村の透明感ある演技・歌声が李香蘭の悲しみをよく表現していた。音楽は三木たかし。22日まで浜松町・自由劇場。