室井滋<下>役者として興味が持てる役が少なくなっている
放送中のNHKドラマ「アイアングランマ2」(BSプレミアム、日曜22時~)では、シリーズ1に引き続き“人生初”の工作員役に挑んでいる。孫が生きがいの“アラ還ばあば”が、実は外交諜報活動で凄腕を発揮した「伝説の特殊捜査官」という役どころ。全速力で走り、屈強な男を相手に闘うシーンは苦労したかと思いきや――。
昔取ったきねづかということか。中学では軟式テニス、高校は陸上部で体を慣らした青春時代を送ってきただけに、「スポ根気質で体を動かすことは好きなんです。役づくりを始めると、物語の本筋はそっちのけで楽しくなってしまうタイプ。プールに通って、水の中で腹筋200回といった筋力アップの特訓をやったのですが、苦に感じることはありませんでした」。
アクション監督として有名な坂口拓氏に師事し、一瞬の小さな動きで相手を倒す実戦型のアクションを学んだ。アクションミステリーに求められる〈膨大なせりふ量を早口でしゃべる〉という“任務”も遂行した。
特殊捜査官時代の相棒を演じる大竹しのぶとは、今ドラマで初共演。さぞ撮影は演技論で盛り上がったのだろうと思ったら、「食べ物やウワサ話に花を咲かせていた」と苦笑いする。意気投合し、プライベートでも一緒にご飯に行く仲になったというが、「実は大竹さん本人にもお話ししていない」マル秘エピソードがあるそうだ。