エンドレス・マーダー(2014年・オーストラリア)
殺し屋スティーブンはパーシバルという男から自分を殺してくれと依頼される。望み通り銃で頭を撃つが、致命傷にならなかった。飛び降り自殺を試みても、失敗に。復活劇が何度も続くと、2人の間には、奇妙な友情が芽生えていく。
依頼主はゲイ。恋人を殺され、生きる気力を失っていたとき、ゲイ差別の集団に襲われる。友人を見舞い、リンチの実態を知ると、集団への報復を誓う。集団のリーダーを連れ出し、その股間に鉛の玉を2発ぶち込む。のたうち回る相手に浴びせた言葉だ。
ほかのメンバーはひとり残さず殺される。唯一の生き残りだ。残りの人生、傷口を目にするたびに友人に行ったリンチを後悔させたいのだろう。
サスペンス好きには興味をそそられる面白い着想で、練られたシナリオとパラノイア的な映像の数々。役者の好演もあって、ラストまで飽きることなく見られる。
実は、殺し屋にも、妻を目の前でひき逃げされたというつらい過去がある。憎き犯人を殺そうと、影を追う日々。あるとき、その犯人がパーシバルだと判明。「許してくれ」と抱き合うが、殺し屋はビルの屋上から突き落とす。
それで、ようやく念願がかなって、つらい世の中から解き放たれたゲイの友人。その葬儀の席で知った事実が、殺し屋を追い詰めることに。
B級サスペンスだけに、結末は容易に想像がつくし、突っ込みどころ満載だが、夏の夜にビールでも飲みながら見るには最高だろう。