レイザーラモンHG住谷正樹さん<2>新人ながら冷蔵庫8台売る
「相方は南海キャンディーズの山ちゃん的なスタンスで、“誰と組んだら面白いか”を考えるタイプ。僕はデカくてお笑い好きだからポテンシャルを感じたらしく、誘ってもらってうれしかったですね」
学生時代の最後の思い出として応募したお笑いコンクールで、まさかの大賞を受賞。1人10万円ずつ賞金をもらい、就職かお笑いか、揺れた。
「予選用と決勝用に作った2本のネタで優勝できたんです。稼ぎは1日で10万円だから単純計算すると、月30日×10万円で300万円。初任給20万足らずだから……と、お笑いの道に進む夢が膨らみました。あとあと聞いてみると、全員が反対する中で、一人の大先生の作家さんがすごく押してくれたから優勝できたそうです。でも、当時は知らなかったから、俺ら才能あるんだと思いました」
1998年4月、コープこうべに入社し、商品の配送を担当する。当時、新人に課せられていたノルマは「夏までに冷蔵庫を4台売る」ことだったが、HGさんは8台も売ったという。
「トラックで商品を運びながら、配達先でカタログを渡して、冷蔵庫の説明もしました。芸風の通り、おしゃべりがうまいキャラではないけれど、生協をやられているのは年配の方が多く、特に僕の担当エリアはおばあちゃんが結構いらっしゃって、彼女たちのウケが良かったんです。デカくて、当時は丸刈りにしていて“おぼこい”感じがハートを掴んだのか分からないですけど、『ちょうど買い替えようと思っていたから、それなら兄ちゃんから買うわ』って。会社からは、“すごい新人が現れた”と言ってもらえました。失敗もありましたけど冷蔵庫だけを取れば、結果を出せていたと思います」