阿部祐二さん タクシー事故で大ケガの翌日に東日本大震災
朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)の名物リポーター・阿部祐二さん。数々の事件、災害現場をリポートしてきたが、7年前、自身が大事故の被害者になった。
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まったく覚えてないんです。気がついたら、自宅近くの順天堂大学医学部付属浦安病院のベッドの上でした。時計の針は朝6時過ぎ。とにかく首がズキンズキンと痛くてしょうがない。それと左右の額にもキリキリした痛みがありました。
担当医から説明を受けながら記憶をたどり、ようやく自分がなぜ病院のベッドにいるのかがわかりました。前日、コメディアンの坂上二郎さんが亡くなられ、「スッキリ」の取材のため、栃木県那須塩原市へ出かけていて、汐留の日本テレビ本社にいったん戻ったのが日付が変わるころ。翌日の打ち合わせをして家路につき、深夜1時53分ごろ、乗っていたタクシーが右の路地からノーブレーキで突っ込んできた乗用車に衝突されたのです。
現場は自宅の100メートルほど手前。後部座席で熟睡していて、後日聞いたところでは、タクシーは衝撃で左側のガードレールに激突した後、その反動で次の瞬間、右側の電信柱に突っ込んだそうです。もちろん全破損。額両サイドの痛みはその時の衝突の際の打撲と裂傷が原因でした。両方で15針縫ったのですから、救急車で担ぎ込まれた時は顔面が血だらけだったそうです。そして何よりも首の痛み。レントゲンを撮った当直医の診断では「打撲だけ」とのことでしたから、すぐに退院できそうな感触をもちました。それで「きょうおとなしく入院していれば、すぐに現場復帰できるだろう」と頭の中では次の取材に思いを巡らせていました。