三池作品に出演直訴 遠藤憲一を変えた人生初の“モザイク”
大河ドラマ「真田丸」で上杉景勝を好演するなど、今やドラマや映画では欠かせない俳優の遠藤憲一さん(55)。エンケンさんにとって、大きな転機となる出来事とは――。
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「ここでウンコしながら会話して」
三池崇史監督がいきなりこう言うんですよ。映画「天国から来た男たち」(2001年)のフィリピンの刑務所でのロケの時。主演の吉川晃司さんと初めて会うシーンでした。
一瞬、「えっ?」ですよ。だって台本にないんですから。でも、いただいた「海野」って男は不倫の末に傷害事件を起こした、キレやすくて破天荒な男なので、何でもありかな、と。人前で平気な顔してウンコすることで、海野の性格が一発で観客にわかるじゃないですか。それでズボンを脱いでお尻丸出し。さすがにモノは出さなかったけど拭くマネしてね。僕の人生で初のモザイクがコレでした(笑い)。
それ以来、吹っ切れたっていうか、恥ずかしいという意識がなくなって、他の作品でも役に徹することができるようになったんです。三池監督はあまり指示はしないタイプですけど、いろんなヒントをくれる。それを膨らませてワッと演技に生かすのがお好きでね。勉強になりますよ。