古舘やイモト起用の是非は…「下町ロケット」に小さな不安
日曜劇場「下町ロケット」(TBS系)は3年ぶりの続編だ。ロケットに搭載するバルブから一転して、今度はトラクターのトランスミッションの開発だという。ヒットメーカー「チーム半沢」による“骨太なドラマ”が一番のウリだ。
また続編のメリットだが、佃航平(阿部寛)をはじめ、技術開発部長の山崎(安田顕)、エンジニアの立花(竹内涼真)、そして経理部長の殿村(立川談春)といった面々には、「久しぶり!」と声を掛けたくなるような親近感がある。それは帝国重工の財前(吉川晃司)や社長の藤間(杉良太郎)も同様だ。
一方、やや心配な点もある。まず、「宇宙から大地へ」というキャッチコピーはすてきだが、農機具であるトラクターはロケットと比べると明らかに地味だ。しかも、いきなり「特許侵害」をめぐる攻防戦に突入した。かつての技術開発合戦とその逆転劇が与えてくれた快感が得られるかどうか。さらに新たな登場人物のキャスティングだ。ダイダロスの代表取締役に古舘伊知郎。ギアゴーストのエンジニアにイモトアヤコ。ケーマシナリーの知財部長に内場勝則などが起用されている。
しかし、いずれもこのドラマの重要人物だ。話題性はもちろん、健闘しているのもわかるが、本当に彼らでよかったのか。物語も配役も、小さな不安を吹き飛ばすような今後の展開を期待している。