CM収入は各局下落…“オワコン”テレビに企業が出稿する理由

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「昨年度は2009年度以降、増加し続けていた視聴率1%あたりのCM収入が下落に転じたターニングポイントの一年でした」

 こう話すのは、長年、在京キー局各社の決算書を基に分析を続けている、電通総研フェローでメディア論ブログ「あやぶろ」編集長の氏家夏彦氏だ。各局のCM収入は、企業(広告主)が特定の番組のスポンサーになって流す「タイムCM」と、時間帯を指定し番組と番組の間に流す「スポットCM」の2つに大別され、視聴率1%あたりのCM収入とは、タイムとスポットを合算した各局ごとのCM収入を総計し、全日視聴率の合計で割ったものである。タイムとスポット、それぞれの割合はテレビ局によって違いがあり、別表を見ると一目瞭然。テレビ東京のように個々の番組が支持され、タイムがスポットより1・5倍超の稼ぎとなる局もあれば、両方がどっこいどっこいの局もある。

 氏家氏によると05年度以降、視聴率は下降トレンドだったのに対し、CM収入はリーマン・ショックの影響を受けた09年度に全体で2割減近くまで落ち込んだものの、その後は緩やかに回復。13~16年度までは均衡状態をキープしていたという。つまり、テレビ局の立場に立てば、視聴率は下がっているのにCM収入はほぼ横ばいで〈割のいい儲け〉をしていたことになる。逆にCMを出稿する企業側にとっては〈高い買い物〉という見方もできる。特に時間帯で出稿するスポットは、高い視聴率であるほど一気に認知も高まることから、スポンサーとしては、視聴率が右肩下がりのテレビにCMを打つのはバカらしいと考えるのが当然だろう。それでもなぜ企業側は、出稿し続けるのか。前出の氏家氏は、「テレビのリーチ力によるところが大きい」とこう続ける。

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