著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

窪田&柚希コンビの圧倒的存在感で魅了「唐版 風の又三郎」

公開日: 更新日:

 1974年に唐十郎作・演出・出演により状況劇場が初演した作品。今回の演出は唐十郎の愛弟子である金守珍(劇団新宿梁山泊)。主演はテレビ、映画で活躍中の人気俳優・窪田正孝と元宝塚トップスターの柚希礼音。

 宮沢賢治の愛読者であり、精神を病む青年・織部(窪田)と場末のホステス、エリカ(柚希)。2人は東京の下町で出会う。エリカの中に、自分をどこかへ連れ去ってくれる「風の又三郎」を幻視する織部。一方、エリカは自衛隊の練習機を乗り逃げし行方不明となった恋人・高田三曹(丸山智己)を捜すため織部を利用し、死の魔窟へと向かうが……。

 宮沢賢治、ギリシャ神話、シェークスピアなどをモチーフに、妄想、幻想とロマンチシズムがない交ぜになった劇世界。おもちゃ箱をひっくり返したようなおびただしいイメージの洪水はまさに唐ワールドだ。

 唐作品を知り尽くした金演出による俳優たちの“身体性ある演技”が素晴らしい。

 窪田はガラスのようにはかない織部の純粋さ繊細な心象を生き生きと演じ、圧倒的な存在感を見せつけた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  3. 3

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  4. 4

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  5. 5

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  1. 6

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  2. 7

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  3. 8

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

  4. 9

    中居正広が払った“法外示談金”9000万円の内訳は?…民放聞き取り調査で降板、打ち切りが濃厚に

  5. 10

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭