視聴率か共感か 吉高由里子主演「わた定」が占うTVの未来
一方、視聴率こそ1ケタだが働く女子の共感を得ているのが、吉高由里子(写真左)主演の「わたし、定時で帰ります。」(TBS系火曜22時~)。残業ゼロ、定時で帰るのをモットーにしたヒロインが、くせもののモンスター社員や取引先の中でさまざまなトラブルに対処する話だ。
「舞台はソフトウエア制作会社、ヒロインはウェブディレクターと、視聴率の“基礎票”になる高齢視聴者には理解しにくい世界です。そういう意味で数字のハンディになるのは承知の上でしょうが、働く女子たちは〈私の会社にもこんな人いる〉〈職種は違うけど、働いていたらこんなことあるある〉と自分の会社と照らし合わせて見ているようです」(前出のテレビ誌ライター)
それを証明しているのが「視聴率の推移」と前出の亀井氏が続ける。
「初回9.5%とこの枠ではまずまずの数字で始まり、第2話で10.4%。平成最後の4月30日には6.5%と大きく数字を落としながら、GW明け7日の第4話で8.4%、14日の第5話では初回を上回る9.8%。連休中にも数字を落とさなかったテレ朝ドラマとは明らかに違う視聴者層がついています」
“基礎票”に徹底的にアピールするのか、基礎票以外を取り込むのか。ドラマを見る方にとっては視聴率など関係ない話だろうが、「わた定」の動向がテレビ業界の“未来”を占うことになりそうだ。
(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)