堤真一が売れっ子になっても決して忘れない無口な父の教え
本番に出るプレッシャーもなく、玉三郎の演技論を学べたのは宝物のような体験だった。冒頭の番組によると、その時、「この世界に関わっていこう」とハッキリと決意したという。
舞台を中心に活動していた堤は30代に差し掛かった頃、2000年のドラマ「やまとなでしこ」(フジテレビ)に出演する。いわゆる“月9”だ。けれど、最初は嫌だったという。
「生意気なんですけど、トレンディードラマとか言われてた時代なんで、テレビをやるつもりは一切なかったんですよね。いわゆる連続ドラマっていう的なものは。要は人気者たちが出ているテレビの世界には関わりたくないと」(NHK・Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」19年6月15日)
しかし、寝る間を惜しんで懸命にドラマを作っているスタッフたちの姿を見て、物づくりということに関しては、舞台もテレビも変わらないということを実感。連ドラに対する偏見はなくなった。その後、堤はドラマ・映画には欠かせない俳優に成長し、数多くの作品に出演している。
父に反発していた高校時代、堤は「あんたみたいなサラリーマンになりたくないんじゃ」と言ってしまったことがあると冒頭の番組で明かしている。その時、無口な父が一言こう返した。