平均視聴率が示す「松坂桃李&吉高由里子」両ドラマの成功
「初回の数字に比べて平均がマイナス2ポイント以上のドラマもある中で、差が1ポイント以内に収まっているのは、視聴者に『次回も見たい』と思わせる作りになっているということです。固定ファンが付く作品はネット上でも熱い書き込みが多く、数字以上に内容に対する評価が高い。スタッフも勇気づけられているはずです」
数字と内容の勝敗は“別物”というわけだが、視聴率を無視できない現実がある。
「地上波をリアルタイムで見る層にアピールできれば、視聴率が12~13%に到達して上位に入るというのが、最近のGP帯ドラマの状況。視聴率が欲しければ、思い切った企画やキャスティングは難しいですね」(広告代理店関係者)
といっても、視聴率の差が統計学上の“ほとんど誤差の範囲”でしかないのは昔から言われていることだ。
「2ケタ確保に躍起になって、既視感のあるドラマばかりになったらテレビ離れが進む。ふわっとしたリアルタイム視聴率だけにとらわれず、視聴者の動向が明確に分かるネット配信のデータにも目を向けるべきでしょう。『見逃したくない』『時間が空けば見たい』という視聴者をいかに引きつけるか。そうやって内容重視のドラマ作りに注力するようになれば、作品の多様性は損なわれない。結果的に業界全体が盛り上がると信じています」(亀井徳明氏)
「パーフェクトワールド」と、放送途中の地震速報により18日の最終回が25日に先延ばしになった「わた定」がどんなフィナーレを迎えるか、注目したい。