チュート徳井 海外逃亡でも逃れられない国税当局の監視網
■リークが相次いだワケ
所得額をまったく申告しない無申告は以前から摘発が相次ぐ脱税の常套手段。過去に逮捕された容疑者の言い訳は決まって「忘れていた」「うっかりしていた」だ。過少申告だと当局側に「隠す意図」が分かるが、無申告なら何も分からない。それを逆手に取り、バレたら「すみません」と納税し、バレなければ、別口座に資産を移したりする。徳井のケースが「OK」となれば、これまで以上に手口をマネをする経営者が全国各地に増えることになるだろう。
無申告に目を光らせる当局が近年、力を入れるのが「海外資産」だ。2014年1月から、5000万円を超える財産を国外に持つ国内居住者に対し、資産報告を義務化(国外財産調書制度)。今年7月、大阪国税局は、この財産調書を提出しなかった京都市内の家具輸入販売会社の社長を、全国初の国外送金等調書法違反容疑で京都地検に告発した。そして各国の金融口座情報を自動的に交換するCRS(共通報告基準)をフル活用し、富裕層の海外資産への監視を強めている。そして、ここでも注目されるのが、将来の移住先として納税義務のないドバイを挙げていた徳井だ。