連ドラ1クールで1000万円も 脚本家ギャラには泣きどころが
かなりの高収入のように見えるが、1本書くためには、最低でも準備期間が3カ月以上いるし、準備稿から決定稿になるまでには、プロデューサーと何度も打ち合わせをして、ときには主役俳優から「こんなキャラクターじゃいやだ」と注文がついたりして、二度、三度と書き直さなければならない。筆の速い脚本家でも、1年に引き受けられるのはせいぜい2本だという。
また、NHKの大河ドラマは大御所がひとりで全編を通して書くが、民放のドラマは1クールを何人かで分担することも多い。
「番組の最後に『脚本××』と名前の出るベテランがリーダーとなって、その下に2、3人の若手・中堅が付きます。リーダーが全体の流れを決めて、それに合わせて1話ずつ分担します。1話完結だから可能なのですが、若手・中堅は1クールで2、3本分、数十万円しか入ってきません」(テレビ誌編集デスク)
売れっ子の脚本家でもテレビからの収入は年間3000万円、中堅で1500万円、新人は数百万円程度といったところか。また、小説家や作詞・作曲家は、ひとつヒットを飛ばせば印税が入り続けるが、脚本家はどんなに高視聴率のドラマを書き上げても、ギャラは基本的には1回きり(再放送1回分込み契約)というのも泣きどころである。
(コラムニスト・海原かみな)