中居正広の退所会見はSMAP再集結のための“地ならし”なのか
普段の番組でも、ゲストの資料を頭に叩き込み、綿密なシミュレーションを頭の中で繰り返す。
「事前にちゃんと準備ができないのは、怖い」(※6)、「打ち合わせをしないと不安でしょうがない」(※7)と語る中居が、自身の退所記者会見という一世一代の場において準備をしていなかったはずがないのである。
では、あらゆる想定をして準備したであろう会見で、中居が隠したかったことは一体何だったのか。それは、昨年7月に報じられた公正取引委員会から注意を受けたジャニーズ事務所の圧力問題とSMAPの不仲説だろう。
しかし中居は会見の開始前に登場し「(この部分を使う番組があったら)会社の力でねじ伏せる」と聞かれる前に笑いに変えてみせ、不仲説も「なんで知ってるの?」と冗談にも取れる余白のある認め方で乗り切った。SMAP再結成の可能性を「1から99の間にある」と、YESかNOかで答えられない問題をグラデーションでうまく見せる表現も見事だった。
会場は温かな空気に包まれ、むしろそのような問題を突っ込む記者のほうが、やぼかのような空気が醸成され、ジャニーズ事務所史上に残る円満退所への花道となった。これは、中居正広による綿密に計算されたショーだったといえる。