コロナで収録延期「麒麟がくる」の混迷と長谷川博己の不運
5日に放送された第12話は、長谷川の「この十兵衛の嫁になりませんか?」のひと言で木村文乃演ずる熙子(ひろこ)とあっさり結婚してしまうのだが、今後予定されている二人の抱擁シーンには“ソーシャルディスタンス”が適用されるという。
ドラマ後半では視聴率を意識して、光秀と川口春奈演じる帰蝶(濃姫)との絡みのシーンもあると聞く。ただ、どうやって「3密」を回避するのか。それも演出家の腕の見せどころだろう。
■抱擁シーンも「3密」を避けるしか…
現場スタッフが敏感になっているのが、放送回数のさらなる短縮だ。そもそも「麒麟がくる」は、本来なら49話分の放送予定の大河ドラマが44話となっている。これがコロナ禍によって、さらに5回分ほど短くなってしまうのではないかと危惧されている。
「池端氏と演出陣の間には、『光秀を中心に描きながら、その脇を固める斎藤道三、織田信長、足利義昭らに新しい解釈、スポットライトを当てよう』というコンセンサスができているといいます。これが事実だとして、さらに5回分のオンエアが短縮されたら、その割を食うのは主演の長谷川さんという可能性が大いにある。性格が温厚で控え目の役者さんですから、池端さんの台本に異議をとなえることもないでしょう。ただ、主演が脇役の尻拭いのようなことをさせられたら、さすがに『この大河は一体誰が主演なの?』と視聴者が混乱するでしょうね」(別の関係者)
相次ぐトラブルに見舞われる「麒麟がくる」はネット上などで“呪われた大河”などと称される。それでも常にひたむきで頑張っている長谷川博己を見ていると、胸が痛くなってくる。
(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)