「ホープ師匠やめてください!」日本一の“発展場”の銭湯で
そーでした、前回俺が全裸救急隊員となり、銭湯で倒れ、意識を失いつつあるご老人を救助した西新宿の銭湯こそ、かつて日本一の同性愛者の発展場として、そちらの世界に名をとどろかせた聖地ならぬ「性地」であったのです。
ちなみに、その銭湯は現在、従業員の方々の徹底した指導や取り組みでいたって、健全な憩いの空間となっています!
と、断りながらも、あの頃の奇妙な空気がなんだか懐かしいなあ~と思ったりしている俺であったりもしているのです。
例えば、ある日の脱衣場でのこと、ごく普通の40歳くらいのポッチャリとした気のイイ男性が俺と同時くらいに、風呂に入ろうと衣服を脱ぎ始めたのです。
その時、その男性は隣で脱いでいる俺に気づき、「あ! ダンカンさんですよね? 銭湯なんて来るんですか」「ウン、大好きなんですよ! それに近所だし」「そーなんですか! でも、芸能界って大変なんでしょう?」「まあ……仕事は何でも同じじゃないですか!」「ですよね……でも、応援してますから頑張ってください!!」と微笑した彼が服とズボンを脱ぐと、すべてパープルのブラジャー、パンティー、ガーターベルト付きの網タイツをビシッと身に着けていたのだった。その時、俺は心の中で「おまえこそ……頑張れ……」とエールを送ったものでした。