「カレーは飲み物!」と言い放ったウガンダ・トラの思い出
クル、クル、クル~ン、カラン! お~、随分とここは賑わってる居酒屋じゃないのさ! とノレンをくぐって店内に入ると……。
「カレーは食べるものじゃなくて飲み物なのよ! ゴクゴクゴク」――おー!! カレーライスのお皿を口につけ、傾けるとそのまま一気にルーもごはんもスプーンで口の中に流し込んでいるー!! う~ん、お見事!!
これぞ正しくデブタレのはしり、ウガンダ・トラさん(2008年、55歳没)の十八番のカレー飲みではないか!! ということは時代は90年代の後半、場所は丸ノ内線中野新橋駅から徒歩5分(ちなみに当時俺が住んでいたマンションから徒歩20秒)、中野本郷通り沿いにあった一見ゴミ屋敷と見間違いそうな居酒屋「信ちゃん」なのだ(現在は「信之助」に改名し、駅近くで営業)。
「カレーは飲み物」の名言が誕生したのは「信ちゃん」では毎週木曜日を「カレーの日」と決めていたからであったのだ。
その「信ちゃん」には夜な夜な中野に住む芸人が集まったものである。我々たけし軍団はもちろん、ヒップアップの川上さんはしょっちゅう奥さんと喧嘩して泣きながら店にやってくるわ、下戸で一滴もアルコールを飲めない松村邦洋がなぜか悪酔いしたかのように店内で(だれも相手にしないのに)モノマネを永遠に続けるわ……などなど、それはさておき、ウガンダさんは実にムシャムシャカッカッズルズルベチャベチャモゴモゴとひたすら口を動かしている人であった。