電波少年ヒッチハイクより売り上げ9割減の今の方がキツイ
売り上げ90%ダウン
夕方6時から深夜まで営業していたのを、昼11時からのランチ営業とテークアウト、そして早めのディナー2組までとし、8時閉店というシフト変更から2カ月。ランチから閑古鳥で、夕方までにテークアウトの注文が2つくらい。多い時は1日20~30人来ていただき、20万円くらいあった売り上げは2万円以下に。90%ダウン、家賃の減免も3度お願いにいって3度とも聞き入れられず、赤字、赤字の毎日です。
それでも、まだ食べることができているだけマシだと思う。アルバイトしてもらっているお笑い芸人や俳優のタマゴ、ダンサーたちは本業での収入10万円くらいと、お店でのアルバイト5万~6万円で毎月やりくりしていたところ、2つともなくなってしまい、収入ゼロに。食べるため怪しい日雇いにも手を出して、真っ暗な地下道に荷物を運び入れたりしている。このときは怖くて、何を運んでいるのかとか、聞けなかったそうです。
そうやって稼いだ1万円で、彼は1週間、食いつないでいます。ボクも駆け出しの頃、ポケットの財布を開いてはため息をつき、不安でいっぱいでした。バイト代が入るのが来週の月曜だから、それまで1日1000円で頑張ろう。そんな計算をいつもしていた。当時はおごってくれる先輩がいたり、希望も同じくらい胸にありましたけど、今の彼らにはそれもない。本当にごめんしか言えないのが悔しくて、閉店後、お店の弁当を車で持っていくんです。すると、こう言ってくれるんです。
「ありがとうございます。石本さんこそ頑張ってくださいね。何も力になれず、すみません」って。また涙腺が崩壊しそうです。 =つづく
(構成=長昭彦/日刊ゲンダイ)