憲法くんいわく 自分勝手な政治を行わないよう歯止めを…
「憲法くんにこう言わせてます。『私は、個人の自由が奪われないように、国を治める人たちが、自分勝手な政治を行わないように歯止めをかけているんです』って。その憲法を、国を治める人たちが変えようとしてる」
この一人芝居は全国で演じられた。
「毎年5月3日の憲法記念日には、日本のどこかでやってます。ただ、今年は自粛要請で中止になりました。ある時期、この芝居を繰り返し演じることに飽き始めていた。その悩みを志の輔師匠に話したら、『ヒロさんね。我々落語家は同じ噺を繰り返しやってますよ。うちの師匠だって、毎年暮れに“芝浜”をやってたじゃないですか。それでもお客は喜んで聴いてた。いいネタならば何度やってもいいんです』と言われて、目からウロコでした。それからは飽きることもなく、照れずに堂々と演じてます」
永六輔は晩年、憲法9条を守る活動に力を入れていた。亡くなる直前、ヒロに伝えられた最後のメッセージは、「9条をよろしく」だったという。
「それで僕も『芸人9条の会』に参加して、憲法改正の反対運動を行ってます。憲法くんはまだまだ元気です。政治のことを楽しく語り、笑いとともに考えていくつもりです」