父が大反対した芸能界 関口宏さんが説得してくださった
父親の命日に車で弟とサクッとお墓参りに行ってきた。外出自粛で月命日も2カ月行かれなかったので、2人でお水もたくさん掛けてタオルで磨いて、お花を飾って、お線香たいて。墓地では幸い誰にも会わなかったが、周りのお墓にはいくつか生花が供えられていたから、やはり皆さんもささっと来てるんだなぁと思った。
父はもう20年以上前に亡くなったが生きていれば今年90歳。「しゃぶしゃぶでも食べて帰ろう」とか言っただろうなどと想像して笑った。40年前に私が芸能界デビューする時とても心配して、何かとうるさかったが今思えばその頃父は50歳。なんと今の私より若かったのか!? なんだか不思議。父は私の芸能界入りを大反対していたが、ラッキーなことにデビュードラマの共演者に関口宏さんがいて、父を説得してくださり、OKとなった。父は立教大学水泳部の頃に関口さんのお父さまで俳優の佐野周二さんにとてもお世話になっていて、私も中学2年生の時、お宅にお邪魔したことが。その時に関口宏さんには会えなかったが、当時ちょうど日テレの大人気ドラマ「気になる嫁さん」を見ていたので、主人公・榊原るみさんの、あっ、お父さん役の佐野周二だ! 居間のコタツには、純役の佐野守(関口宏さんの弟)がごろ寝してるぞ。そこへ、関口さんの奥さまの歌手・西田佐知子(すいません、全部呼び捨て)が来て、わぁー、ちっちゃい! きれい! わぁー、お手伝いさん役の浦辺粂子はいないのか? わぁー!! と目がチカチカしたのを覚えてる。
赤坂のしゃぶしゃぶ有名店でごちそうに…
ちょっと脱線したが、そんなつながりをちゃっかり利用し、父に台本を見せ、関口さんがいることを告げ、弱冠20歳の端役がずうずうしくも関口さんに「父が会いたがっています」と言うと、関口さんはとても懐かしがってくださり、一席設けてくださり、しかも赤坂の有名店で父の大好きなしゃぶしゃぶをごちそうになった。「父の頃とは違う。大丈夫」と言ってくださり「宏が言うならば」なんて父も偉そうに言っちゃって。よく考えてみれば関口さん36歳の頃である。なんと立派な!
その時のしゃぶしゃぶは生まれて初めて食べる薄く(?)切ったトロけるようなおいしさで、デビュー何年後かに自分のお金で父にごちそうしたが、支払いがドキドキするぐらいの高級店だったので、またまた関口さんを尊敬した。70代後半になってもまだまだ現役、やっぱり尊敬。私もがんばりまーす。