不条理劇もビックリ“コロナ対策仕様”の新劇場ガイドライン
自粛生活も早くも1カ月半以上、皆さまいかがお過ごしですか。
世の中は自粛解禁ムードですが、私はついに秋の芝居も延期になりそうで、今のところ11月まで予定がなくなって、あと半年間、自主的自粛が決定したラサール石井です。
あ、そもそも自主的だから自粛なのか。なんか促されていや応なく「粛」しているからか、「自粛」という実感がない。
15年以上毎年やってきた喜劇の熱海五郎一座も、6月の新橋演舞場公演が中止になった。
この公演は三宅裕司座長のもと、私や春風亭昇太師匠らおっさん7人で、意外にも1カ月間で5万人動員する松竹主催の人気興行。松竹も巨大資本があるとはいえ、なくなって痛手なのではと心配。
もちろん小劇場はもっと大変。一つ芝居がとんだだけでプロデューサーは破産しかねない。
そんな折、全国公立文化施設協会が今後の公演に際してのガイドラインを発表した。
「演者は表現上困難な場合を除き原則としてマスク着用を求めるとともに、出演者間で十分な間隔をとるように」って……おいおいそりゃ無理だよ。表現上困難すぎるわ。声はくぐもるし表情は見えない、しかもお互いが近づかない。こりゃ相当の不条理劇だ。