何よりも楽しみな打ち上げもバカ話もできない寄席なんて…
まもなくお盆ですね。寄席は本来ならお正月、ゴールデンウイーク、そしてお盆は稼ぎどきなんです。そして春と秋にはお披露目興行。これは真打ち昇進や名跡の襲名で、お祭り的な盛り上げをすることで閑散期を生まずになんとなく一年をうまく運営する寄席の様式。ところが今年はコロナのせいで3月からの真打ち昇進披露が途中で中止に。現在、8月から新宿末広亭でやり直しの興行を行ってますが、収容人数は定員の半分の150人まで。楽屋も密を避けるため出演予定のない芸人は入れません。本当は新真打ちを慕って先輩、同期、後輩たちがうじゃうじゃ集まって終演後数十人で打ち上げに行くまでがお披露目なんですが打ち上げ禁止令が協会から出てますのでそれもかなわず。
11日から始まるお盆興行も上野鈴本演芸場の昼席はうちの師匠、3代目円歌が長い間トリをとるのが恒例でした。十数人いる弟子たちが入れ代わり立ち代わり寄席に集まり、他の出演者を含めた20人ほどを引き連れて、ウナギの伊豆栄をはじめとした高級店で連日打ち上げをしたものです。
しかし、今年は私も出演の出番を15、16日と2日いただきましたが高座を終えればそそくさと楽屋をあとにしなければなりません。私にとっての寄席は高座の大切さはもちろんですが、楽屋でのバカ話や打ち上げでのバカ話、2次会、3次会でのバカ話が何よりの楽しみなんですけどね。